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文化祭の中でファンタジーが跳ね回る『水面座高校文化祭』1巻

 祭り、というものはハレの場であり、そこは非日常の舞台なのであります。
 だから、文化祭で非日常的ドラマが紡がれるのは必然であり、そこには如何なる者が現れても全く不思議ではないということで。

 『くおんの森』の釣巻氏が描くのは文化祭を舞台にしたファンタジー。文化祭の喧噪の中、色々な立場の参加者が経験する物語を1話完結の形式で描いていきます。 それは個人の物語であったり、お化け達の青春であったり、地球の運命を左右する宇宙人との遭遇の物語であったりと、とにかくバラエティに富んだ構成。
 そんなトンデモないドラマを飲み込みながら、しかしひたすら騒々しく、賑やかに続いていく文化祭。

 それぞれの物語は独立したものですが、「自分が委員長を務める以上、失敗はない」の信念の下に行動するバイタリティあふれる文化祭実行委員長・花屋敷都の存在がエピソードを繋いで、それらを(本人は意識せずに)「文化祭」の一場面に巧みに組み入れて、ハレの場がひたすらに続いていく様子は、心ときめくものがあります。
 文化祭というハレの場、このファンタジーの発生場所に説得力を持たせるのはやはり釣巻氏の画。この人の画には引き込まれるような魅力があって、やはり実に素晴らしいなあ、と。

水面座高校文化祭

水面座高校文化祭 1 (アフタヌーンKC)水面座高校文化祭 1 (アフタヌーンKC)
(2010/03/05)
釣巻 和

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テーマ : オススメ漫画
ジャンル : 本・雑誌

規格外のヒロイン登場! の女子格闘漫画――『鉄風』1・2巻


 生まれ持った才能で様々なスポーツをこなすことが出来てきた女子高生・石堂夏央。何でも上手くこなせることに「寂しさ」を感じていた彼女が、ブラジル帰りの同級生・馬渡ゆず子と出会い総合格闘技にのめり込んでいく――

 格闘少女モノ、と言って済ますには主人公・夏央のキャラクターがあまりにも強烈で魅力的。
 自分には才能がある、という事実を冷静と傲慢を以て受け止めていながら、でも才能がある故に「努力」をすることができないこと、一つ事にのめり込めないことに退屈と「寂しさ」を感じている夏央。
 その才能ゆえのプライドの高さと、満たされない渇きが一緒くたになって「私は充実している人間を――許さない!」と言い放たせる獰猛さと歪みを生み出していて素晴らしい。なんとアンチヒロイン的な! 何と黒々としたハートを持った主人公であることか! ふつうのヒロインはこんな怨念の籠もった台詞を凄まじい目つきで言い放ちませんよ! ネコがネズミを弄ぶように他者を潰しませんよ! という。

 そんな夏央ですが、敢えて自分が総合格闘技の道に踏み入るため、力量の差を理解した上で通過儀礼としてゆず子に「負け」に行ったりとストイックな面を見せたり、格闘とは無関係の友人の前では、自分の「努力をしたい」「その努力による充実を得たい」という本音を飾らずに話したり、ジムに通って素直に練習したりと、案外真面目で素直な面も多々見られ、実はものすごく不器用な女の子、という側面も覗われて。
 戦いの際の相手を蔑んだ余裕を含んだ攻撃的な視線と、自分の願いを語る際のはにかんだ表情、これが同居しているのが魅力的です。

 未知のスポーツに挑戦していく物語、青春の充実を求める物語、と王道の要素でありつつも、それを演じるのは実に強烈で個性的な役者。
 自分の「努力」できる対象を見つけるために他者を見下し踏み台にしていく獰猛さ、充実した他者に向ける嫉妬の視線とそれを認めないプライドの高さ。それと合わせて存在する「充実した日々を送りたい」というピュアな願いとストイックさを持った夏央の独特の魅力が物語を牽引します。
 衝撃的な強さを持ったゆず子達のライバルキャラ、脇を固めるも非常に魅力的で、その中でこの獰猛でストイックな夏央のキャラがどう動いていくか。
 今、最も毎回の連載が楽しみな作品の一つであります。

鉄風
鉄風 1 (アフタヌーンKC)鉄風 1 (アフタヌーンKC)
(2010/03/05)
太田 モアレ

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テーマ : オススメ漫画
ジャンル : 本・雑誌

地図を持ち街へでよう――『ちづかマップ』

 16歳の少女・鹿子木千束が古美術商である祖父の手伝い(強制)をしながら人捜し・物探し的事をしながら色々な街を行く、という。

 街のそここに向けられる好奇心いっぱいのちづかの視線は、16才の少女の等身大の感覚、気軽さと瑞々しさに満ちていて大変に軽やかで明るいのであります。
 そして実在の街が持っている歴史の積み重ねと、そこに生きる人達。それが合わさってその土地の匂いを感じられるような描写が大変に気持ちいい。ちづかのそれを受け入れる感性がまた自然体で。ああ、いいなあ、この感じ。
 名所巡りをするわけではなくて、好奇心のままにその土地をあるき、些細なことから人とモノと街の歴史を感じていく、この自由で開かれた感じ、すごい好きです。

 今風でありながら、あんまり女の子を感じさせなくて、古地図好きでちょっとマニアックな趣味のあるちづかのキャラがまたユニークで、でもかわいくて素敵。

ちづかマップ

ちづかマップちづかマップ
(2010/01/22)
衿沢 世衣子

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テーマ : オススメ漫画
ジャンル : 本・雑誌

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棘叢庵主人凡鳥でございます。
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