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王道の物語と業深い描写――『ケルベロス』1巻

 「崩」とよばれる化物と戦うため、友人達を守るため、「狗骸」雪房と契約を交わし「墓守」という異能の力を揮う存在になった主人公十三塚景。

 『ケルベロス』はそんな異形のバディを得て、異能力者となった主人公が化物とのバトルをしていく由緒正しき血脈の少年漫画であります。主人公の景も、弱きを助ける侠気と優しさ、強い意志を持ったまことに主人公然とした男の子。

 その王道の系譜たるこの作品が他と一線を画すのはは非常にサディスティックな描写、所謂「リョナ」系の描写。
 「崩」に捕まり、涙と鼻水とよだれまみれになりながら恐怖に震える幼なじみ。崩にいたぶられ無惨に引裂かれ、絶望の叫びの中で食われるモブ少女。妹を犠牲に自分だけ助かろうとした卑怯な姉と、その姉を目の前で食われた妹、結局二人とも食われた幽霊の姉妹――などなど。

 演出として何もそこまでせんでも、と思わないでもない、しかし圧倒的なインパクトで迫るこの描写の数々。
 とにかく絶望で歪む女の子達の表情に対して、力の入れ方が半端ではありません。この虐めっぷりはもう愛ではありますまいか、そんな深い業すら感じさせる描写であります。
 これらの「絶望」描写があるから主人公の救出劇や倒したときのカタルシスが映える、というのも勿論あります。が、それだけではない、執拗で本気の女の子への嗜虐性。それを以て負の面の女の子のかわいらしさ――というか命の華が描かれているのは間違いありません。

 堂々たる王道を往く陰にある業の深さ。この業深さが今後どう花開くか、そして物語にどう影響を与えるか。
 ちょっとこの先目を離せないる引力があります。

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(2010/05/07)
フクイ タクミ

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棘叢庵主人凡鳥でございます。
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