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命を矜持を矢玉に賭けて――『鎧光赫赫』

『狼の口 ヴォルフスムント』の久慈氏が、連載前に各所で描いてきた作品を集めた短編集。
 雑賀衆をモチーフにした一連の戦国戦闘物語など、情念が込められた戦いと人生の物語を中心にしつつ、「舞子プラズマ」名義で描かれた「エマ」アニメの宣伝漫画「舞子の部屋」の前のめりのギャグが異彩を放っております。

 中でも「千草峠の風」と表題作が好き。
 信長を狙撃した人物・杉谷善住坊を主人公に据えた「千草峠の風」。家も女も友も捨てて鉄砲の腕前を高めることのみに腐心してきた男が放った人生の全てを賭けた一発と、それが招いた結果に対しての吐き出される男の叫び。
 非人間的なまでに一事に研ぎ澄まされた人生。その人生に対する男の矜持が、実に人間的な熱を以て、火を噴くような情念と叫びによって吐き出されるのに圧倒されます。


 そして「鎧光赫赫」。
 圧倒的な武力を誇る豪傑に挑む小兵の鎧武者の闘い。傲岸不遜の槍さばきに抗する小兵の武者、アクションとして目を惹くシーンの連続ですが、決着が付いて武者の正体が明かされた瞬間の清涼感と、その後の生の感情むき出しの対比が生々しくも鮮やか。


 無慈悲な描写を交え、行き場のない怒りを抱えた人物達が、闘いの中で吹き上げる情念の炎とその熱に当てられる作品があつまっております。

 その裏にキャラクターをとにかく酷い目に遭わせずんばあらず、的な業が感じられて、それもまた素晴らしい情念であるなあ、と。

関連記事:『狼の口 ヴォルフスムント』感想

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(2010/04/15)
久慈光久

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