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心を読める女の子と、普通の男子の青春。『琴浦さん』1巻

 人の心が読めてしまう女の子・琴浦さん。そんな彼女に惹かれる一般人男子・真鍋君。
 その能力のせいで色々としんどい経験をしてきた琴浦さんは周囲との壁を作りまくりで距離を置こうとしますが、彼女をほっとけない真鍋君は積極的に関わり合おうとするのでした。

 最初は剣呑だった琴浦さんがどんどん可愛らしくなっていくのが見物。それもひとえに真鍋君のアプローチのお陰なわけですが。
 その能力を周囲と関わらない逃げ場にしてしまっていた琴浦さんに、逃げることなく常に正対して、ついにはその能力もトラウマも全部ひっくるめて受け止めて、彼女のハートをがっちりゲットしてしまった真鍋君。男の子かくあれかし、といった気骨ある男子であります。エロスの貴公子ですけれども、それもまた男の子らしくて。
 彼のお陰で笑顔を取り戻した琴浦さんのかわいいことかわいいこと。琴浦さんはマジ真鍋君の嫁。もう彼らには幸せになって貰う他は無いでしょう。

 琴浦さんと真鍋君の幸せなバカップルっぷり、こっちが赤面してしまう程の青くて甘い恋愛劇を演じながらも、しかしどの登場人物もかなり重い背景を抱えていて油断がならないお話でもあります。
 ムードメーカーの部長にしたって、琴浦さんたちと仲良くしつつもその動機に暗い執念の根っこを持っていますし。
 時に重い話を挟みつつ、かわいらしくてユニークなキャラ達の掛け合いでそれを中和しつつ、と苦さと甘さの同居する複雑な味わいの物語であります。重い部分があるから、そのドラマを乗り越えるから陰影が増してキャラが一層魅力的になっているのですよね。その物語の向かう先は常に優しさを持った前向きであるのも希望が持てて、これがまたいい。

 いやまあ、端的に言うと琴浦さんはかわいくて素敵で、真鍋君はそれに見合うナイスな男子である、と。

 Web公開版に格段の加筆修正が加えられていて、第1部なんかはもう殆ど全部新規と言って良いくらいなので、Webで読んだ人もこの単行本版は買う価値ありというかむしろ買え、と。
 未読の人は言わずもがな、ということで。

琴浦さん1 (mmcomics) (マイクロマガジン☆コミックス)琴浦さん1 (mmcomics) (マイクロマガジン☆コミックス)
(2010/07/30)
えのきづ

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歳の差カップル、オトナなのはどっち? 『GAME OVER』

 白泉社『楽園 Le Paradis』とWeb増刊に掲載された原稿を集めた作品集。

 表題作は、バスの中で出会ったOLと中学生の恋愛物語。
 わざと男性の隣の席に座って、こちらを2度見させたら勝ち、という密かなゲームを続けていたOLさん。
 連戦連勝の彼女が、ある日中学生男子の隣に座ったところ、その彼は全く気にするそぶりも見せず――
 そんな形で始まった二人の出逢い。そこから長い交際を経て結婚に至るまでを描きます。

 出逢いの時点でOLと中学生。かなりの歳の差カップルですが、クールに彼女をあしらう彼氏と、そんな彼にときめいてしまう彼女と、実年齢とは逆な人の関係。
 ――と思いきや、彼氏の方はクールを装いながら、内心では年上の彼女に対する背伸びをしていたり。
 彼女の方も翻弄されてばかりに見えながら、ほの見えた彼氏のそういう背伸びの部分に時にオトナの余裕で対応したり。自分のことを「美人OL」とか言っちゃえる結構イイ性格している彼女さんだけに、そこの切り返しがまたニヤリとさせられます。

 一見、年下の彼氏が主導権を握っている関係に思えますが、それぞれの「オトナ」と「コドモ」の部分が時々逆転する瞬間のやりとりが面白くもあり、恋が揺れ動くときめきの瞬間でもあり。そこをめぐる駆け引き、読んでいるともうニヤニヤしっぱなしです。

 オトナな彼女に追いつきたい彼氏と、オバサンだから……という彼女。お互いにその歳の差をコンプレックスとして感じていながら、5年という長い時間を掛けてそれを埋めてゴールインした二人。もう、二人の前途に幸あれ、この素敵な恋愛物語に拍手!

 この表題作の他に収録された「誘拐のススメ」「けだまのケーキ」「きのう けんかをしました」も微笑ましく、あったかな恋愛が描かれていて、こっちも読んでて思わずにやけちゃいます。

GAME OVERGAME OVER
(2010/07/31)
水谷 フーカ

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レッツ、社交ダンス! 『BUTTER』1巻

 「社交ダンス部」という異色の素材を取り扱った部活モノ。
 ヒップホップに憧れがありつつも、社交ダンスの魅力に目覚めつつある少女・夏と、同級生のいじめで入部届を出されてしまったオタク青年・端場。この二人を中心に部活動の様子とそこで展開する人間ドラマ。

 多くの人にとってもあまり馴染みがないであろう社交ダンス。その題材を如何に魅せるか、というのは大前提としてあるのですが、それを引っ張るのは二人とも初心者ながら、とにかく前向きに社交ダンスの魅力に気づいた夏と、やる気もなく斜に構えている端場の対比。

 一生懸命やっている人間に対して、斜に構えて「ウケる」と言い捨てる、端場の物事に正対すらしようとしない姿勢は小人的言動で満ちており、苛々させられますが、色々あって彼を無理矢理にダンスに引っ張り込む夏の熱量。
 全然合わなかった二人が、色々軋轢を経て一瞬合った楽しいと思える瞬間。そこには徐々に高まっていく熱の予感がありました。

 ダンスに対する温度差も大きく、また相性も悪い二人ですが、二人で行うことが重要な競技だけに、二人の関係がどう推移していくかは注目。

 社交ダンス、確かに馴染みのない素材ではありますが、上達していく初心者の喜び、仲間との繋がり、などなど描かれるドラマは部活動ものに普遍的なもの。得意な素材がこのドラマをどうブーストアップしていくか、もこれから気になるところです。

BUTTER!!!(1) (アフタヌーンKC)BUTTER!!!(1) (アフタヌーンKC)
(2010/07/23)
ヤマシタ トモコ

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初心い恋、微笑ましい恋愛。『はるかぜ日和』1巻

 村上君と吏南さん、二人は付き合い始めたばかりの中学生カップル
 一緒に登下校をしようとしてみたり、交換日記を始めてみたり。そんなういういしい二人の絆を深めていく日々。

 打算とか駆け引きとか、そんなものとは無縁の、ただただ二人の「好き」と「好き」が近づいていく感じは実に暖かくて、ただただ微笑ましいばかり。読んでいると自然と頬が緩んでしまいます。ラブラブなのに、全く厭味が無いピュアっぷりがまた。

 周囲の視線を全く気にすることもなく、また衒いも恥じらいもなく、吏南大好き! でパタパタと近寄っていく村上君と、喜怒哀楽があんまり表に出ないクールな吏南さん。
 性格は全然違う「動」と「静」のこの二人、お互いに補い合っていて実にお似合い。

 吏南すきすき! ではしゃいでいる村上君はまるで子犬のよう。ちぎれんばかりに尻尾を振っているような感じが無邪気で好感度大です。
 そして、クールな吏南さんが彼に引っ張られてときどき見せるふわりとした笑顔、これがまた実に可愛らしい。ほどける、といった風で破壊力が実にでかい。
 
 描かれるのはドキドキ、というよりもあったかな恋。
 ああ、この初心い恋は優しく見守っていきたい。

はるかぜ日和 (1) (バンブーコミックス WIN SELECTION)はるかぜ日和 (1) (バンブーコミックス WIN SELECTION)
(2010/07/27)
来瀬 ナオ

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咳をしても一人。酒飲んでも独り。『彼女のひとりぐらし』1巻。

 フリーのデザイナーをやっている輿水理香さん(26歳・独身)。
 他人の目のない一人暮らしの気安さから、一人飲酒で酔っぱらってくだをまいてみたり、冷蔵庫の中がカオス化していたり、簡単な料理(とも言えないもの)で満足してみたり、風呂場でゲームしたりオシ○コしちゃったり。

 体も油断しまくりで、もう、全体的として哀しいまでに女子力ゼロの残念な人なんですが、それがむしろいとおしい。親近感湧きまくり。
 上記各種の堕落に加えて、風邪をひいて臥した際の辛さ情けなさ、リア充へのルサンチマン。 
 独り暮らしのアレさ加減は女も男も関係ないのです(端から見たら根源の可愛げが全く違いますが)。
 
 そんな色々とアレな女の独りぐらし、やるせないことはいっぱいありますが、それらを、ビールうめえ、ご飯美味しい、気楽だし、で「まあ楽しいからいいや」とイージーに受け流せる前向きさ(或いは現実逃避)が素敵。その際の笑顔が何ともかわいらしいのですが、どこか虚ろなものがあるのもまた事実で……。

 ああ、ひとり暮らし。哀しいけれども、それなりに楽しい独りぐらし。明日も生きてあげよっかな。

彼女のひとりぐらし 1 (バーズコミックスデラックス)彼女のひとりぐらし 1 (バーズコミックスデラックス)
(2010/07/24)
玉置 勉強

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触手マイスターが人生を賭けて描く『人間失格 壊』

 誰もが知っているであろう太宰の『人間失格』を、「チャンピオンRED」の触手マイスター・二ノ瀬泰徳氏が、大胆な解釈と独特の描写でコミカライズ。

 葉蔵が女装させられたり、異形に触手で嬲られたり、そんな二ノ瀬氏テイスト満載な描写も多く、そのあまりにも特殊で突き抜けた描写からイロモノ扱いをされそうな気もしないでもないですが――。
 実はこの作品、驚くほどに真摯に『人間失格』に取り組んでいるのです。いや、本当に。

 生き辛い故に「お道化」の仮面を被って世間を欺き続ける葉蔵。人間を求め、人間を「失格」してしまった彼の生き様を描く筆は、「チャンピオンRED」に掲載された二ノ瀬氏のインタビューや、その作風から、何だか強い自己投影と情念のほとばしりを感じずにはおれません。

 例えば、葉蔵のお道化が仮面であることを見破り、その後事ある毎に彼の前に立ち現れる竹一姫香。
 原作では少年時代の葉蔵の本質を見破った(かに思える)発言をし、彼を大いに動揺させ、またその後の人生に影響を与えた竹一を、美少女として、そして継続的に登場する常ならぬ存在として描き、そしてあのようなラスト直前のシーンを与えたことは、インタビューでの「現実の女性が嫌いなんですよ」との答えに対して、何と象徴的なことか。

 太宰の『人間失格』は、読者の立場や心持ち、読んだ時の状況によって、恐らく受け取るものは大きく変わって来ます。昔読んだ人も時を置いて読めばまた違った印象を受けるはず。
 二ノ瀬氏がこの作品に真摯に向き合うことで、立ち現れたのがこの異形の、そして失格した人間の物語を描いたことは、二ノ瀬氏の中で何か覚悟の完了とか、一つ突き抜けた何事かが生まれたのではありますまいか。

 葉蔵は物語の最後で「今の私には幸も不幸もありません。 ただ、いっさいは過ぎてゆきます」とあまりにも有名な言葉を残しますが、二ノ瀬氏には、ぜひまだこの過ぎゆく境地には至らず、ひたすらに前へ前へと進んで、もっとすごいものを我々に見せていただきたい。
 本当に、期待しております。

人間失格 壊 (チャンピオンREDコミックス)人間失格 壊 (チャンピオンREDコミックス)
(2010/07/20)
ニノ瀬 泰徳太宰 治

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花のお江戸のくとぅるぅ噺。『伴天連XX』1巻

 江戸×クトゥルーの有り得べからざる融合。
 そんな無茶な! と思いつつも、コレが滅法面白いのだから大変なことであります。

 佃島で起った河童騒動、その影にちらつく「深きものども」の影。無明獅子緒の異形の左腕に宿った「ないとごぉんと」が顕現する! 
 
 時代物の空気の中にするりと、さも当然のような顔をして差し挟まれるクトゥルー要素。
 クトゥルーの知識を持った胡散臭い宣教師・ザビエル10世のユニークなキャラが、江戸とクトゥルーの異質な二つを繋ぎ、軟着陸させます。さらに高い画力がその迫力で有無を言わせないという。
 クトゥルーをこんな形で江戸の和テイストに変換してしまうとは! と吃驚するやら面白いやら。

 タイトルからするとザビエルが主役のような印象ですが、物語は獅子緒が背負った業を軸に、旧神と旧支配者の対立を織り交ぜて展開。これからどんな神々の狂宴に巻き込まれていくか、そういう面でも楽しみ。
 しかし、トリックスターのようでありながら、旧支配者を前にしてあっさりヘタレる(まぁ、当たり前か……)ザビエルさんは萌えキャラだと思う。

 頭では無茶な設定だとは思っても、ガンガン引き込まれるこの面白さ。まさに「エンターテイメント」かくあれかし、といった作品であります。

伴天連XX(1) (ファミ通クリアコミックス)伴天連XX(1) (ファミ通クリアコミックス)
(2010/07/15)
横島一猪原賽(原作)

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その仕事、まさにプライスレス――『ジゼル・アラン』1巻

 アパートの大家をしているお嬢様 ジゼル・アランがある日突然始めた「何でも屋」の仕事。
 店子のエリックを助手にして、周囲を巻き込んでの新しいおしごと開始――!


 20世紀初頭のヨーロッパを舞台にし、ジゼルさんの活躍を描くお嬢様奮闘記。
 一人で大家なんかしているという時点で何らかの事情はありそうなものの、基本的にはお金に困っていないはずのお嬢様の道楽っぽく始まった「何でも屋」業。

  ネコ探し、親子関係の仲立ち、ストリップ嬢とお出かけ、煙突掃除、不法占拠少年との交渉――etc。
 お嬢様らしからぬ行動力と思い切りの良さで依頼をこなしていきますが、ビジネス、と言うよりはジゼル嬢の好奇心と感情によって好き勝手に動いているだけなので、危なっかしいことこの上ない。側で見守るエリックの胸中をお察しします。が、彼もロリコンでマゾっ気が強そうなのでそれはそれで嬉しそうなのでまあいいや。

 しかし、その危なっかしい行動も、彼女が天性として持っている単純だけど凛としたブレない姿勢、何事にも素直な感動を表せるピュアさが読者をも含めて、周囲の人々を惹き付けて止みません。
 ジゼルの仕事は、大人の仕事とはまた違った、彼女なりの素直な価値観で動いている故に、依頼をこなすという結果の他に、関わった人々の心に何かきらきらしたものを残します。

 なんだかハラハラさせられるし、トラブルも続発させる小さななんでも屋さんですが、お代以上のまさに「プライスレス」な仕事をするジゼル。彼女の今後のおしごとにも注目!

ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)
(2010/07/15)
笠井 スイ

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閉館まで残り一年の宮殿、そこにあるのは青春の喧噪。『玲瓏館健在なりや』1巻

 現在は学生寮として使用されている西洋館「玲瓏館」。
 およそその用途に似ない、まるで宮殿のような豪奢なこの建物に住むことが決まった青年・白居玄太は、しかし引っ越してきたその日に、玲瓏館が1年後に取り壊されることを告げられるのであった……。

 寮らしからぬその館に住むのは、男女合わせて12人の寮生たち。
 新しく入居した玄太をエピソードの中心にして綴られるのはコミカルで喧噪に満ちた日々。
 誰も彼も一癖ある強い個性を持つ寮生達は、出逢いのほんのわずかな場面だけでもその個性を印象づけられますが、その後のエピソードでどんどんキャラが掘り下げられていって、彼等が生活空間を共にしている様が活写されます。人間関係の面白さ、常に何か小さな事件があり退屈する間もありません。

 寮というにはあまりにも変わった環境と事情をを持った玲瓏館ですが、そこにあるのはその豪奢さには縁遠い、実に若者らしい喧噪に満ちた生活であり、同世代の若者たちが集まることでしか生まれ得ない濃密な時間。
 寮らしくない佇まいではありますが、しかしやっぱり若者達の生活の場としてそこに在り続ける玲瓏館。
 
 同じ年代の若者が集う空間。何代にも亘ってそれを続けて来た時の積み重ねには、そこに暮らした者にだけ分かる空気があります。「寮」としての場が特殊なものであるならばそれは尚更のもの。

 玲瓏館で過ごす日々が濃くなる程に減っていく残り時間。そこに関係する者達は、表に出すにしろ出さないにしろ、それぞれの感慨をこの館に対して抱いているはず。しかし、今は、その時まではただ青春の喧噪の中で――。

 青春の「場」としての寮と、そこに集う若者達を描く群像劇。楽しいときはやがて過ぎゆき、その刻限を迎えるまでに若者達はどのように感じ、動いていくのか。舞台の面白さ、キャラクターのユニークさでとにかくぐいぐいと引っ張られます。


玲瓏館健在なりや 1巻 (ビームコミックス)玲瓏館健在なりや 1巻 (ビームコミックス)
(2010/07/15)
冨明仁

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女子高生双子、虚実のあわいなる異界を探訪す。『さえもえな日常』

 紗英と萠は、巫女の属性を有する双子の姉妹。
 彼女達が夢と現実のあわいで迷い込む不思議な世界で奇妙な事件が続発、それはもはや日常か!?

 双子らが足を踏み入れる不思議な世界は、神社をベースに日本的な異界の空気を持ちながらも、路面電車が爆走したり、巨大な招き猫が建っていたり、多脚戦車が登場したりと、幻想的でありながらもなかなかにカオス。
 そこで起こる事件は、無くなった母やご先祖様との再会、ネコの文化とスパイをめぐるドタバタ、神様同士の縁に巻き込まれたり。
 現実なのか夢なのか判然としない世界で、クラスメイトを巻き込みながら、エピソードは時にしっとりと、時にスラップスティックに展開。そして虚と実のあわいがまた微妙にあやふやなまま日常へと回帰していきます。
 カオスななんでもあり感と、ファンタジーの心地よさが同居したなんとも不思議なこの空気。おもわずため息が出てしまうくらいに魅力的。女の子達も大変に可愛らしい。フェティッシュな魅力があります。

 巻数表記はないけれども、「リュウ」への掲載は続くっぽいので是非次巻を出していただきたい。というか、次巻切望。出ないと悲しい。
 夢乃氏の画柄とか、この作品の空気とかものすごく好きなのです。

さえもえな日常 (リュウコミックス)さえもえな日常 (リュウコミックス)
(2010/07/13)
夢乃 むえ

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彼女の妹さんはかわいい愛の仲介人。『ポンチョ。』1巻

 社会人の広志さんと大学生のななみさんは恋人同士。
 仕事やバイトの関係でタイミングが悪くて逢えないことが多い二人ですが、その逢えない時間はななみさんの妹・ポンちゃん(8歳)がしっかりと繋いでくれるのです。

 ななみさん不在の時に出会った広志さんとポンちゃん。ななみさんに逢えないさみしさやガッカリ感も、ポンちゃんの元気さがあっさりと埋めてくれます。ああ、ポンちゃん、実に愛らしい。

 逢えないために直接伝えられない広志さんと、ななみさんの互いの「好き」の気持ち。
 それを間に立ったポンちゃんが、いっぱいに増幅してきらきらにして届けるのです。本人に自覚は無いのだろうけれど、実に元気で可愛らしい愛のメッセンジャーとなっています。

 ポンちゃんはポンちゃんで、ななみさんは勿論、広志さんも好きなのがひしひしと伝わってきて、広志さんとななみさんが結婚したら、ポンちゃん含めてきっとみんな幸せになるだろうなあ、という予感いっぱい。
 何かもう歳の離れた兄妹、というか父娘、みたいな感じにもなっていて微笑ましいですけれども。

 ポンちゃんの明るさ、元気さ、天真爛漫さに振り回される広志さんを見つつも、なんだかしあわせ感いっぱいになれます。

ポンチョ。 1 (まんがタイムコミックス)ポンチョ。 1 (まんがタイムコミックス)
(2010/07/07)
高嶋 ひろみ

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うざい! つれない! 面白い! 『ふたりぽっぽ』1巻

 幼なじみの黒坂こばと(黒ぽっぽ)と白井くるり(白ぽっぽ)の女の子二人。こばとの事が大好きなくるりですが、その想いは一方通行気味。
 こばとが好きで好きで好きで好きで仕方ないくるりが大変にウザい。――のですけれども、かわいい。実に。
 いつもべったりとくっついてこようとするくるりを邪険にするこばとですが、たまにふと離れるとそれはそれで寂しいこばと。思わずニヤニヤしちゃう、微笑ましい関係じゃあありませんか!
 腐れ縁のようでもあり、熟年夫婦のようでもあり、そしてまるで少年と年上のお姉さんの恋人同士のようでもあり。過剰なべったり感も、ドライなあしらいも、全て「幼なじみ」という近い距離と長い時間が育んだ上で成り立つ素敵な関係。

 こばとは運動面はそれなりに良い性能なのに、感性とか頭とかがちょっと残念な感じ。くるりは頭にこばとの事しかないちょっとアレな感じですが成績優秀でスペック高め。
 ふたりの関係性の強弱では「こばと>くるり」なのですが、スペック面では「くるり>こばと」となって、ときどき優位性が逆転するのもまた可笑しくあります。

 そんな黒・白ぽっぽの共通の友人であるもーちゃん。ちょっと黒いところのある彼女の性格と観察眼が、的確に両ぽっぽの行動を分析し、また良い具合に波を起こしてくれてアクセントとなっております。

 ああ、息の合った漫才を見ているような勢いのあるギャグが愉快な、でも両ぽっぽの関係にどこかふんわりとした優しさもある素敵な作品です。

ふたりぽっぽ 1 (まんがタイムコミックス)ふたりぽっぽ 1 (まんがタイムコミックス)
(2010/07/07)
山口 舞子

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私のドリフター 地獄へ堕ちてゆく 『ドリフターズ』1巻

 天下分け目の関ヶ原、島津豊久を主人公に据え「島津退き口」、捨てがまりから物語が始まる――

 これだけでも掴みはもう十二分、クライマックス! という感じではありますが、そこから物語は大転換、舞台は異世界へ。あらゆる国・時代から集った偉人たちが「漂流者」と「廃棄物」に分かれた戦乱の最中に放り込まれる、という。

 下手をすれば「ぼくのかんがえたすごいせんそう」になってしまいかねない設定、しかし、これを激しく「アリ」にしてしまう、ケレン味たっぷりの平野氏の筆。信長・那須与一らと協力しエルフを糾合して国盗りを開始する豊久。仲良くケンカするハンニバルとスキピオ(そしてここぞという場面でハンニバルに絶対の敬意を表するスキピオ!)乱戦の中、空を破って登場する菅野直の紫電改。
 廃棄物の側には炎で全てを焼き尽くすジャンヌ・ダルク、全てを凍てつかせるアナスタシア、隊士の霊(?)を引き連れる土方歳三。そこに吹き荒れる死の嵐。
 誰もが名前とその活躍を知っているような人物がファンタジーの世界で、激突、或いは協力して戦っていく!
 とにかく、全てが、読者の「男の子」のハートをビリビリと震わせる力に満ちております。


 国盗りの行方は、これから一体どんな人物が登場してくるのか、そしてその人物はどういう風に描かれるのか。続きが気になること夥しい、実にエンターテイメントな作品であります。

ドリフターズ 1巻 (ヤングキングコミックス)ドリフターズ 1巻 (ヤングキングコミックス)
(2010/07/07)
平野 耕太

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エロかわいいアネキに翻弄されたい! 『鬼灯さん家のアネキ』1巻

 血の繋がっていない姉弟のハルと吾朗。
 ちょっと変態気味のシスコンの吾朗ちゃんと、そんな彼をちょっとHな悪戯でもてあそぶアネキ・ハルのちょいエロシスコンラブコメ。

 弟の気持ちと性癖を知りながら、時に思わせぶりな態度、時にあからさまな誘惑で翻弄し、その子犬っぷりと間抜けっぷりを楽しむアネキ。

 正直なところ、吾朗ちゃんキレちゃってOKじゃないのソレ、的なヒドい悪戯を大分されているような気がしますが、姉貴のかわいらしさとエロさの前に全ては許されます。というかむしろご褒美です!
 小さめの体にメリハリの効いたスタイル、そして小悪魔的な表情! それを最大限に活用し、下着や裸、直接攻撃まで駆使するというのだから――ああもう、たまりません。エロい。かわいい。すてき。

 そんなエロかわいい姉貴にいたずら(だいぶ性的なもの含む)されても「……アネキが悪いんだからな」とエロ漫画的な展開にはならずに、ひたすら悶々として、いいように情けないリアクションをとらされてしまうヘタレな吾朗ちゃんの姿に涙と笑いを禁じ得ません。
――男って悲しいわね。

 と、事ある毎に吾朗ちゃんをからかって遊んでいるアネキですが、しかし彼が女の子と親しそうにしている姿を見ると心中穏やかで無さそうでもあり。
 吾朗ちゃんがそんな性格であることを良いことに、下ネタも、無防備な姿も、裸も、素の性格も、何もかも晒してしまっているのは、アネキが吾朗ちゃんを家族として信頼しているから、とも言えるかも知れません。

 かようにお互いに微妙に歪んだ形で大変に仲の良い姉弟ですが、吾朗ちゃんの血の繋がった姉貴登場など、物語には案外複雑な家庭事情も提示されていたり。

 今のところ姉弟のエロくて笑えるコミュニケーションをコメディとして描いておりますが「血の繋がっていない」ことが果たして今後なんらかのドラマを生み出したりもするのか。吾朗ちゃんを中心に女性キャラが多く登場しておりますが、サービス要員としても嬉しく、ドラマのトリガーともなる得るでちょっと今後の展開が気になるところ。

しかしまあ、このアネキのエロかわいらしさは無類であることよ。

 
鬼灯さん家のアネキ (1) (角川コミックス・エース・エクストラ 22-1)鬼灯さん家のアネキ (1) (角川コミックス・エース・エクストラ 22-1)
(2010/07/04)
五十嵐 藍

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Author:棘叢庵主人
棘叢庵主人凡鳥でございます。
日々読んだ漫画の感想などを綴っていきます。

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