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うさくん大好き! 『うさくんの脳みそやわらかい』

「電撃大王」掲載されたショートギャグを中心に集めた作品集。
中心になるのはゲーム会社を舞台に、エッジすぎるネタに一点突破したしょむないゲームを開発した社員とそれをプレイする社長を描いたシリーズと、田舎で初めての同人活動に勤しむフェチい性癖を持った女の子二人の話。これの他に単発のお話がいくつか。

ボケをかますキャラに、律儀にツッコミを入れ続けるキャラという綺麗な漫才的図式を描きつつも、そのボケの度合いが常人では計れないぶっ飛んだ発想&変態っぷりが面白さを加速。しかもかわいいキャラが平然とそんなネタを平然とやっているモノだから倍率ドン、さらに倍! 的な。
 しかしまぁ、うさくん作品のツッコミキャラはきっと疲れるだろうなァ、と思うのです。
 ボケの変態っぷりと、ツッコミの正常ぶりにキュンとしちゃう。

しかし、うさくん氏ほど作家としてのキャラクターが読者に愛されている人がいるだろうか。
冒頭カラーの「うさくん禁止」だけでもファンはニコニコしてしまうことでしょう。

来月に出る『マコちゃん絵日記』2巻も楽しみ。

うさくんの脳みそやわらかい (DCEX) (電撃コミックス EX 138-1)うさくんの脳みそやわらかい (DCEX) (電撃コミックス EX 138-1)
(2010/05/27)
うさくん

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淫靡な関係から一転、隠微な恋の攻防戦へ――『放課後プレイ2』

 帯にも書かれているように、2巻ではなく「2」。
 続きものではなく、主役を「彼女」と「彼氏」から、眼鏡でそばかすの「先輩」とちょっと不真面目な「後輩」に変えて綴られる二人のお話。

 幽霊部員だけで実質的な部員は二人のみの漫研。二人きりの部室で、真面目に漫画を描き続ける先輩に、完全にタメ口調でゲームのマニアックな話題を振る後輩、という図式でエピソードは進行。

 何気ない風を装いつつ、互いに興味がある共通の話題をひたすらに振り続け、気を惹こうとし、また脈があるかどうかを仄探るこの間接的なアタック。
 ……個人的に何だかとてもズキズキ来るモノがありますが――。ああもう。

 明らかに意識しているのだけれど、それを趣味の話に紛らせて己の恋愛臭気を巧みに消す(少なくとも消した形にはなっている)後輩の果敢なアタックと、それを受け入れつつ、相手の気持ちと自分の覚悟を計り続ける奥手(或いは臆病)な先輩。ときどき大きく踏み込みがあったりドキリとしますが、実に、実にもどかしく、切ない。

 「彼氏と彼女」というある程度の仲になっている二人が次のステップへ進む際のドキドキを、ヤるやヤらざるやのギリギリのラインを、フェティッシュな描写で淫靡な空気を纏わせて描いた前作。
 それに対し、今作は気になる存在から「恋人」の関係になるための静かな攻防戦・隠微な反応の探り合いを描いており、淫靡な空気はだいぶ影を潜めて、もどかしく時に痛々しい、かなり「生」な恋愛の駆け引きが主となっております。

 とはいえ、先輩の赤面した様子、視線のさまよわせ方、指先の動きなど、大変にフェティッシュでエロスの影がちらついているのは間違い無いのですが。

電撃4コマ コレクション 放課後プレイ2 (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション)電撃4コマ コレクション 放課後プレイ2 (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション)
(2010/05/27)
黒咲練導

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最強の料理漫画、ここに竣工! 『ドカコック ドカうまっ!! 満腹編』

 全国の現場を渡り歩き、そこで働く男達に、作ったメシで力と希望を取り戻させる伝説の流れドカがいるという。その男は京橋建策、またの名をドカコック!

 ジャンル分けをするなら料理漫画という事になるのでしょうが、とにかくその力強さとバカバカしさは無類。
 ドカコックの料理がうちひしがれている男達に夢や希望、力を取り戻す、という非常に料理漫画的な筋ではあるのですが――。

 まず土方のコック、という設定からしておかしい。
 料理の工程を工事のそれに模し、料理の完成を「竣工!」と言い放つユニークすぎる着想。
 「ドカドリーム」「ドカモーション」「ドカプロミス」など、バカバカしくも有無を言わせぬ説得力に満ちた言語センス。そして力強く優しい、まさに「侠」なドカコックの生き方。
 あまりにも雄々しいドカコックの料理作法と、それに引き込まれる観衆のノリの良さ――というかグルーヴ感。

 全編ツッコミどころ満載の、あまりにも強引な展開、しかし、それを激しく「あり」にしてしまう力強くテンポの良い演出に力技でグイグイ押し切られてしまいます。

 「ドカですから……」

 の一言の前に、全ての読者は黙して頷く以外に無いという。だって、ドカだもの。

 そして、ドカコック誕生秘話が語られる渡辺保裕氏へのインタビューも爆笑&必見。17回のボツの末にこの大傑作が生み出されたかと思うと実に感慨深い――!

 連載再開を強く希望。この廉価版だけで終わってしまうには惜しすぎる一作。溢れるB級臭さと、それを自覚してノリノリでやっている感覚が面白くて仕方ない。ものすごい脂の乗った作品。読まないと後悔する、と敢えて言ってしまいましょう。

ドカコック ドカうまっ!!満腹編ドカコック ドカうまっ!!満腹編
(2010/05/24)
渡辺 保裕

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こんな風体のヒロイン見たことない。『ガスマスクガール』1巻

 頭部に袋がかぶせられた首無し死体が次々と発見される「袋人間事件」。その事件の犯人とされるガスマスクを被った少女「マスクさん」。その「マスクさん」を偶然目撃した少年は、正体が同級生であったことを知り、彼女を尾行するが――。


 連続首無し殺人事件、しかも死体に奇妙な装飾が施されていて、という猟奇事件と、そこに絡む怪人の存在。
 マスクさんの正体と事件の謎を追うミステリ的な展開かと思いきや、その事件には超常の存在が関与していて一気に異能力バトル展開に。

 普段はちょっとおっとりしすぎな美少女が、「ガスマスクガール」となると、その細身でガスボンベをガンガン振り回し、爆発させる様は、普段の姿とのギャップとビジュアルの異様さもあって強いインパクトが。独特の画風もそれに拍車を掛けております。
 とにかくそのビジュアル面の意外さだけでも1巻分を読ませる牽引力はあります。
 力の有無はともかくとして一人の男としてヒロインを守らねば、的な主人公の立ち位置は王道と言えば王道なので、その絵面の印象がやはり強烈な作品。

 袋男の存在、それにかかるガスマスクガール達能力者の秘密、物語を牽引する謎はいくつか撒かれているので、それが2巻以降でどう紐解かれるかが評価の鍵となりそう。

ガスマスクガール 1 (MFコミックス アライブシリーズ)ガスマスクガール 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
(2010/05/22)
御影 石材

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日常のあらゆるところに。『はとがいる』

 はとが嫌いなはっちゃんと、そんなはっちゃんが大好きなはと達、そのはとを片付けちゃうよっちゃん。
 一緒の家で暮らすそんな三者(?)の日常を描いた4コマ漫画。

 「鳩」じゃないんです、「はと」なんです。
 なんだろうこのくりーちゃー。すごい。でもかわいい。
 狭いところにみつしりと詰まっていたり、はっちゃんの気を惹こうと様々な手段を講じたり、でもよっちゃんに片付けられてしまったり、でもどんどん湧いて出るし。
 なんだこれ。まっことふ不思議なくりーちゃーであります。かわいい。

 そんなはとの生態を心得ていてポイポイと片付けていくよっちゃんのはとあしらいの見事さ。いや、そもそもはとを「片付ける」っていう行動からしてシュール。
 あっさり片付けられてしまう無抵抗感も、はっちゃんへのちょっかいの出し続ける熱意も、よっちゃんと息のあった芸(?)を披露する芸達者ぶりも、全部ひっくるめて味わい深いはと。
 焼き芋と一緒に火にくべられたりと、カレーの具になってしまったり、さらりとハードコア(?)なあしらいをされたりもしますが、でもほんわか。

 病的なまでにカレー好きなはっちゃんのカレーネタと、うじゃうじゃと生活のありとあらゆる場所に出現するはとのネタ、これを2本柱として何とも微笑ましい、しかしシュールな場面がぽこぽこと生まれて行く様がたまりません。

 しかし、本当に何なんでしょうね、はと。謎の生物です。かわいいけど。はと。いいなあ。

はとがいる (角川コミックス)はとがいる (角川コミックス)
(2010/05/26)
てっけんとう

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読んでいると父性愛に目覚めそう――『怪獣のテイル』1巻

 平凡な青年・マサキの前に、宇宙から落ちてきたタマゴ。そこから生まれたしっぽの生えた少女は、マサキを「おとーさん」と慕うのでした。「テイル」と名付けられた怪獣の娘と、即席おとーさんの奮闘の日々。

 とは言っても、作者は『今夜のシコルスキー』・『文化部をいくつか』の、あのF4U氏なので、ただの美しい親子モノになろうはずもなく、どっか一本ネジがブッ飛んだような独特なノリが展開。

 それでも、引き籠もり系のダメ人間だったのに父性愛に目覚めて奮闘するマサキと、とても素直でパパ大好きなテイル、と中心となる二人は至極真っ当な親子ノリ。
 特にテイルは真っ当に素直でかわいらしすぎて、読んでいるこちらまで父性愛に目覚めそうです。
 その二人がしっかりしている分、分妙なノリは脇役がふんだんに受け持つことに。喫茶店のお姉さん然り、両親然り、お金持ちのお嬢様然り。

 その変な隣人たちと、不慣れながらも一生懸命なおとーさんとに囲まれて、ありのまま世界を受け入れてすくすくと育っていくテイル。見るモノ全てに新鮮で素直な反応を見せるテイルががとにかくいとおしい。

 「すくすく」という言葉が気持ち良くぴったりハマるテイルの育ちぶりに、おとーさんならずとも眼を細めること間違いなし!

怪獣のテイル 1 (ヤングジャンプコミックス)怪獣のテイル 1 (ヤングジャンプコミックス)
(2010/05/19)
F4U

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少女マタギが撃つものは何か。『椿鬼』1巻

 山に生きるマタギの少女・椿鬼。
 山の色を見、山の声を聞く彼女がその背に担いだシロビレ(村田銃)で撃つものは――。

 押切蓮介氏が描く新作は、山を舞台にしたアクションホラー。
 山を切り開いて行かざるを得ない人々と、その人々を抱いてそこに在る山。そのあわいでバランスを崩して狂ってしまい「魔」と呼ぶしかない存在となってしまったモノを撃ち抜く椿鬼。

 神を騙り快楽のために人を殺し食う人間。人間を犯し獣を孕ませ、人々を虐殺する山。大変にグロテスクでエグい表現が満載。もうぐちゃぐちゃの真っ黒。
 しかし、それらの中にあって椿鬼の姿は凛として美しく、そして哀しみを帯びて起立しています。

 生き延びるために山を克せんとして戦う人々と、それに抵抗する山。命のギリギリのところを賭けた、どうしようもない部分で起るグロテスクな出来事――その場所に生きる者達の哀しみを引き受け、力で止める役割を引き受けるが故に、椿鬼は強く美しく、そして哀しい存在として描かれます。

 エグさで言えば『ミスミソウ』以上の部分がありますが、それだけで終わらせない物語の余韻。泥濘から咲く一輪の蓮、のような涼やかな感じが椿鬼の存在にはあります。

椿鬼 (1) (ぶんか社コミックスホラーMシリーズ) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)椿鬼 (1) (ぶんか社コミックスホラーMシリーズ) (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)
(2010/05/17)
押切 蓮介

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何かを乗り越えたその先に生まれる希望――『冬の終わり、青の匂い』

 『演劇部5分前』を連載中の百名哲氏が「ビーム」「fellows!」などで発表してきた作品を収録した短編集。

 氏のデビュー作となった「ばかねこ」。
 想いを寄せていた男に押しつけられた喋るネコ。無用のバカバカしい心配ばかりのそのネコとともに、もう来るはずのない男を心のどこかで諦めきれずに待っているOL。
 デビュー作ゆえの荒さ、みたいなものもありますが、しょうもない存在だけれどどうしても憎めないばかねこのいじらしさと、そこに寄り添うOLの心情がジンと沁みる一作。これを読んで百名氏の作品は追いかけなくちゃ、と「ビーム」掲載時に強く思いました。

 「サムライ戦隊ブシドーファイブ」
 もうすぐ終わりを迎える戦隊モノの収録現場。プロデューサーの人柄のお陰で家族のような絆が生まれたチームの中で、駆け出しの女優が感じる寂しさと、彼女がとった行動――とその末に迎えた最後の収録。
 役者とスタッフのやりとり一つ一つから「ああ本当にいい現場だったんだろうなあ」と思わせる描写。楽しいことも辛いことも含め、居心地の良かった場所から巣立つ際の葛藤を経て、一皮むけて少し大人になった彼女の後ろ姿がとても眩しい。

「桜の頃」
肉親が起こした事件のせいで虐められ続けた高校時代を過ごした少女・沢さん。卒業式のあと、無理矢理グループにさせられていたキモ男子達と彼女の間で起ったイベントとは――?

 どうしようもない阿呆な、手段を間違えたキモ男達でのアプローチでしたが、しかしこれ以上無いくらいに真摯でナイスなものでありました。高校生活の最後の最後で沢さんにいい思い出ができて良かった。本当に良かった。

 あと「桜の頃」の沢さんもそうですが、百名氏が描く切れ長の目の女性がすごく好きです。「聴こえてくる歌」の杉山アナとか、『演劇部5分前』の矢野さんとか。


 共通するテーマとして、ちょっと不器用な人たちが、心の中に蟠っていたモノを乗り越えて一歩踏み出したその場面、というのを描いた作品にとても心を揺さぶられます。
 ちょっと切なかったりしつつも、その姿がなんだか眩しく見えたり、その乗り越えたあとの表情やその場の空気が、ああ大丈夫なんだ、と頼もしく感じます。
 挫けたり立ち止まったりしても、人は前に進むべきなんだなあ、と夜明けの薄明の如き小さいながらも力強い希望を感じさせる作品集です。

■関連既刊感想
『演劇部5分前』1巻

冬の終わり、青の匂い (ビームコミックス) (BEAM COMIX)冬の終わり、青の匂い (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
(2010/05/17)
百名 哲

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変わりゆくものと、変わらないものと間で生まれた出逢い。『さくらフロンティア』1巻

 美大に合格したばかりの主人公・赤川皆人と、ストリートミュージシャンとしての活動を始めたばかりの天白春。
 桜舞う中出会った二人、建設中の東京スカイツリーが見下ろす町で若者達の「夢」をめぐる物語が幕を開ける――。

 という感じで『ことこと~子と孤島~』で海と空に囲まれた小笠原の自然と人々の触れ合いを描いた竹林月氏の新作は、下町を舞台にした青春ラブコメ。

 建設中のスカイツリーを抱えて変化をしていく町。そこに残昔ながらの銭湯(主人公の実家)に集う人々。
 変わり行くものと変わらないもの、物語はそんな対比を内包しながら、「夢」に対する若者の向き合い方と行動を、夢に向かって実際に行動を起こしたヒロインと、確たる行動を起こせていない主人公を通じて描きます。

 春の夢へのまっすぐな行動を自分のそれと比べて憧憬と焦りを感じる皆人と、皆人の才能を無邪気に称える春。なんだかお互いに気にはなるものの、まだ出会ったばかりで友達といった感じの皆人と春の関係。互いの存在が刺激となってこの関係がどう変化していくか、そして夢への、自分の目標へのアプローチがどう変化していくかに注目。

 1巻ではまだ各キャラの顔見せと物語導入といった感じで、ドラマは大きくは動き出してはおりません。
 が、シンボリックな舞台設定とそれと歯車の噛み合ったテーマは面白さを増していきそうな強い予感があり。春が涙を流す理由は何か、ラストで登場の新キャラは二人の関係に何をもたらすか――物語が動きそうな種はいくつも撒かれた、それがこれからどんな芽を出すかに期待です。

 そして竹林氏が描く物語はいつも近所のじいさん・おっさんといったご近所コミュニティの人たちが魅力的なのが特徴。
 一緒にバカやったりする憎めない存在でありながら、人生の先輩として若人にそれとなく道を道を示せるキャラクターが居ましたが今回はどうか。そちらにも注目。

さくらフロンティア 1 (Flex Comix)さくらフロンティア 1 (Flex Comix)
(2010/05/13)
竹林 月

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魔法少女モノの臨界突破。『魔法少女プリティ☆ベル』1巻

 魔法の杖が選んだ魔法少女の適格者。それは――。
 高田厚志35歳、職業:ボディビルダー。「魔法少女プリティ☆ベル」として頑張ります!

 出オチじゃねーか! と思わず声を上げてしまうような設定ですが、その声をねじ伏せてしまう圧倒的なパワーと濃さ。
 筋肉は卑怯だろう! と思ってもやっぱり笑ってしまった者の負けなのです。
 ポージングからの魔力発動で戦うとか卑怯だ! と思っても、高田さんの肉体美と暑苦しい絵面の前にはただただ敗北を認める以外に無いのです。
 あまりの圧倒的な力の前に、作中でプリティベルと戦う者と読者はきっと同じ印象を受けるに違いない。「勝てねぇ……」と。

 ただの筋肉バカかと思いきや、「少女に危ないことはさせられない!」という思いから自ら魔法少女役を買って出る強く、そして心優しい高田さん。まあ、そのお陰で、物語と絵面的には大変なことになっているのですが……。
 とにかく全編に溢れる高田さんの只者ではなさっぷりはただ事ではない。
 ロリっ娘におっぱい、かわいい女性キャラも多く、彼女たちのサービスシーンがあっても、それを上回って全てを持って行ってしまう高田さんの魅力――というか暑苦しさたるや。

 ギャグとして押し通すのかな、と思いきや第1巻の後半からはシリアスなバトルが展開。さて、このあとどうなっていくのか。
 個人的には第1話のようなバカバカしい展開がもっと見たいなあ、とも思うのですが。

魔法少女プリティ☆ベル(1) (BLADE COMICS)魔法少女プリティ☆ベル(1) (BLADE COMICS)
(2010/05/10)
KAKERU

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出会いは妙? でも今の絆は本物。『一緒にかえろう』1巻

 小学生4年生の夏休みに出会いと別れを経験した春と詩緒。春にとっては初恋の人となった詩緒と高校生になって再会を果たしたが、実は詩緒は女の子だったのでした――。

 ちょっとがさつだけれど明るい春と、りりしく見えるけれど本当は泣き虫の詩緒。勘違いの出会いから始まった二人の友情の物語。
 
 人と付き合うことが下手で、クラスメイトの前ではポーカーフェイスを保ちつつも、春の前では不安で泣いてばかりの詩緒。
 ともすれば立ち止まりそうになる彼女を、過去の思い出と「今」を総動員して時に励まし、時に叱咤し向かい合う春。
 一緒になって本気で悩み、泣き、笑いあう二人をものすごく丁寧に描く筆から、二人の気持ちの動きと絆の強さがひしひしと伝わってきます。

 他の友達との嫉妬めいた感情の行き違い、意地悪なクラスメイトの出現などを経験しながら、春と一緒に、少しずつ前に進んでいく詩緒。その不安と前に進む喜びがまるで我がことのように感じられる丁寧な描写。実に巧いなあ……。
 明るい春のキャラが笑いを起こしつつ、でも友達と向き合う姿の真摯さと、ちょっと照れくさいまでにストレートな感情表現でぎゅっとハートを掴んでくる。それによってほぐれていく詩緒の表情がまた破壊力が高くて……。ああもう。

 春と詩緒、それぞれを気にする男子生徒の存在もありラヴな予感も出てきたり、仲良くなった真名と、意地悪な杉山の存在など、クラスメイトも含めたコミュニティの中でこれから二人の関係がどうなっていくかが楽しみ。

 始まりは勘違いの初恋だったけれど、一緒にいる時間で培われた絆は本物。心に沁みる女の子同士の「絆」の物語であります。

一緒にかえろう 1 (まんがタイムコミックス)一緒にかえろう 1 (まんがタイムコミックス)
(2010/05/07)
矢直 ちなみ

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家族であり、ちょっと気になる異性であり……『このここのこ』2巻

 千紘がうっかり遙斗と同じ家政部に入部してしまったことで、学校でも一緒の時間が増えた二人。
 今まで以上にお互いの色々な面を見る事になり、家族としての絆が深まるのとともに、何だか異性として気になる度合いも上がってきて……そんな中で体育祭開催! という展開の第2巻。

 表の優等生の顔と素の顔の両方を知っている・知られているからこそ家族として思ったことを言い合えるような関係になった二人。
 理解の深まりにつれて、なんでも一人で抱え込もうとする千紘を気遣う遙斗の気持ちは、それが大切な家族だからなのか、それとも異性としてなのか。
 そして、千紘にしても自分の心を解きほぐしてくれる遙斗に対して抱く思いは家族への感謝か。それとも異性に対するときめきか。

 千紘と遙斗の関係は微妙でありちょっと複雑。姉弟であるということが絆であり、同時に壁でもあるという。
 「家族」になることに一生懸命なあまり、自分の感情にちょっと鈍感で「家族」と「気になる異性」の境界線を微妙に家族側で足踏みし続ける二人。
 「きになる」「放っておけない」とはっきり感じている遙斗。恋愛に興味ナシと言いつつ遙斗に対しては他の男と別種の信頼を寄せ、体育祭での遙斗の活躍にドキッとしてしまった千紘。
 
 ああもう、二人の今後の関係今後が一体どうなっていくのか非常に気になる!
 そして2巻ラストで爆発した全く悪気の無い爆弾が周囲に及ぼす影響もどうなることやら!

■既刊感想
『このここのこ』1巻 感想


このこここのこ 2 (IDコミックス REXコミックス)このこここのこ 2 (IDコミックス REXコミックス)
(2010/05/08)
藤 こよみ

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王道の物語と業深い描写――『ケルベロス』1巻

 「崩」とよばれる化物と戦うため、友人達を守るため、「狗骸」雪房と契約を交わし「墓守」という異能の力を揮う存在になった主人公十三塚景。

 『ケルベロス』はそんな異形のバディを得て、異能力者となった主人公が化物とのバトルをしていく由緒正しき血脈の少年漫画であります。主人公の景も、弱きを助ける侠気と優しさ、強い意志を持ったまことに主人公然とした男の子。

 その王道の系譜たるこの作品が他と一線を画すのはは非常にサディスティックな描写、所謂「リョナ」系の描写。
 「崩」に捕まり、涙と鼻水とよだれまみれになりながら恐怖に震える幼なじみ。崩にいたぶられ無惨に引裂かれ、絶望の叫びの中で食われるモブ少女。妹を犠牲に自分だけ助かろうとした卑怯な姉と、その姉を目の前で食われた妹、結局二人とも食われた幽霊の姉妹――などなど。

 演出として何もそこまでせんでも、と思わないでもない、しかし圧倒的なインパクトで迫るこの描写の数々。
 とにかく絶望で歪む女の子達の表情に対して、力の入れ方が半端ではありません。この虐めっぷりはもう愛ではありますまいか、そんな深い業すら感じさせる描写であります。
 これらの「絶望」描写があるから主人公の救出劇や倒したときのカタルシスが映える、というのも勿論あります。が、それだけではない、執拗で本気の女の子への嗜虐性。それを以て負の面の女の子のかわいらしさ――というか命の華が描かれているのは間違いありません。

 堂々たる王道を往く陰にある業の深さ。この業深さが今後どう花開くか、そして物語にどう影響を与えるか。
 ちょっとこの先目を離せないる引力があります。

ケルベロス 1 (少年チャンピオン・コミックス)ケルベロス 1 (少年チャンピオン・コミックス)
(2010/05/07)
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遊びをクリエイトする『アソビバ』1巻

 ちっちゃな部長とクールな千夏、二人だけの遊具研究部、略して「ゆーけん部」。
 新しい遊具を考え、それを使った新しい遊びを考えるという活動内容のもと、二人はユルく楽しく仲良く部活をするのでありました。

 基本的に舞台は部室オンリー、登場人物は二人だけという極めて限定された条件で進行するエピソード。
 にも関わらず、二人が考える遊びがとてもユニーク&二人のやりとりが面白くて、マンネリ感や閉塞感とは無縁のほんわかとした面白さ。

 時に変な道具を使いながら、時に身の回りの品を用い、想像力と斬新(時におバカ)なアイデアを駆使して全く新しい遊びを作り上げる様は実にユニークかつファニーな創造性いっぱい。
 テーマを定めて、それに沿ったシチュエーションを手持ちのカードで作って遊ぶ「シチュエーション・カードゲーム」なんか無限の可能性を持っているなァ、と。
(例「テーマ:悲しい・切ない」に対して「教室+泣いている女の子+夕日」とか)


 部長と千夏が作る新しい遊びはどこかお間抜けで、でも楽しそうなものばかり。
 でも、遊びそのものが面白そう、というのもあるのですが、それ以上に二人の仲の良さ――常にストレートに楽しんでいる部長に対して、一歩下がりつつも、実はものすごく部長が好きな千夏――がどんな遊びであっても120%楽しくなってしまうという。
 二人にとっての「遊び」はコミュニケーションのツールであり、それを面白くするのは二人のゆるくもお熱い仲なのであります。


 ところで。アタシも千夏に「テキサス」したいです。ぜひ。

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小玉 有起

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佐賀弁で、美少女で、おばあちゃんで、猫。『ミル』1巻

 飼っていた猫が女の子に! そして同居生活!!
 ――そんな設定のお話ですが。

 しかも佐賀弁。お料理も上手。
 なんてキャッチーなキャラ付けか。

 しかし、その設定を見て多くの人が考えるような浅薄なお話ではなく、しみじみと愉快で、そしてじんわりと心に染み入る実にいい話なのです、これが。


 故郷を離れ東京でひとり暮らしをしている大学生の主人公・アキ。彼の元にある日突然少女がやってきた。なんと彼女の正体はアキが実家で飼っていた猫のミルが人に化けたもの。彼女とのちょっと変わった共同生活の始まり。

 見た目は女子高生、しかし長生きした化け猫ゆえに、感性がおばあちゃんのソレなミル。煮物が得意で世話焼きで、ちょっと世間とズレていて、そして佐賀弁。おまけに人なつこい飼い猫の習性と本能も。

 バァさん・猫・女子高生、3属性のハイブリッドなミルの存在は、味気なかったアキの独りの生活に彩りと栄養と笑いを与えてくれますが、アキも単にそれを享受するだけではありません。細かい部分にまで気を遣っているミルを心配し、陰に陽に気遣いを見せます。
 小さなしあわせがたくさんある生活は、お互いを大切に思っているから。楽しいことも、切ないこともあるけれど、全部ひっくるめてお互いの「やさしさ」が幸せに変えていく、そんな物語。
 年上のおばあちゃんだけれども、とても切ない過去も背負っているミル。一緒に暮らしてお互いを知ることで深まっていく絆が笑いあり、涙ありで大変に丁寧に描かれています。

 何だか奇妙な、しかし暖かでちょっと切ない二人の関係。じんわりと暖かいこの関係はいつまでもこうあってほしいな、と思います。是非多くの人に読んで欲しい作品。

 作者の手原氏はこの作品でデビュー、とのことでそういう意味でもこれからが大変楽しみです。

ミル 1 (ビッグ コミックス)ミル 1 (ビッグ コミックス)
(2010/04/28)
手原 和憲

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棘叢庵主人凡鳥でございます。
日々読んだ漫画の感想などを綴っていきます。

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