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アナタニモオワライアゲタイ――『チェルシー』1巻

 お笑いを目指す女子高生達のお話。
 とは言っても、プロ志向の本気のモノではなくて、思いつきで「お笑いやろうぜ!」的な軽いノリで始まる、お笑いネタを織り交ぜたゆるゆる学園モノといった趣のお話。

 最初の頃の素人の女の子がお笑いネタでキャッキャウフフ、というのも絵のかわいらしさも相俟って良いのですが、学際の前座のためのコンペ参加という方向性が生まれてから、ちょっと真面目にお笑いを志し始めてからが本番かしら。ライバル達もなかなかに個性的で楽しい娘さん達が多いです。

 4コマという制限のある枠の中で、「お笑い」というネタをチョイスするのはなかなか大変だと思うのですが、お笑い志向の女子高生達の素人チャレンジもの、として見ればかわいらしくて素敵だと思います。

チェルシー (1) (まんがタイムKRコミックス)チェルシー (1) (まんがタイムKRコミックス)
(2009/11/27)
シバ ユウスケ

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ああっ 駄神さまっ――『PONG PONG PONG!』

 「モテたい!」と主人公が通りすがったお稲荷様に願をかけると、何とキツネっ娘――ではなくて、タヌキ娘が現れてしまったのでした。

 突然現れた女神様とうらやましい同居生活!
 ――ではなくて、ちっとも役に立たない駄神様っぷりを遺憾なく発揮するタヌキ娘のリコ。神通力といっても静電気を起こすだけ、胸もない、無芸大食のヘッポコではありますが、そのヘッポコっぷりがかわいいったらありゃしない。ちんまい体で迷走する様子がラブリーであります。この駄狸様め! これはもう「駄ロリババア」という新ジャンル。

 当然のようにモテの地平から遠ざかる主人公とは裏腹に、女の子達からはかわいいかわいいともてはやされるリコ。おっとりダイナマイトバディのお師匠様(キツネ)も出てきて、キャラにメリハリが出て(体型的な意味でも)更に駄神様いじりが楽しくなっております。
 ああ、ほんとにこの駄神様はかわいいのう。

PONG PONG PONG! (1) (まんがタイムKRコミックス)PONG PONG PONG! (1) (まんがタイムKRコミックス)
(2009/11/27)
リサリサ

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自意識を思考する青春の日々――『え!? 絵が下手なのに漫画家に?』

 色々な所に掲載された原稿を、エッセイ漫画を中心にをまとめた作品集。
 
 学生時代の、異性や周囲の人との関わり合い方・自分の進むべき道への戸惑いを描いた表題作が描くのは、内向的な若者のデリケートな自意識。
 ただその自意識を描くだけならウェットな青春モノになりそうですが、そのデリケートさに気付きながら客観的な思考によって自分を分析することで、静かでどこか乾いた味わいの可笑しさに仕上げてしまうのが施川氏的な味であります。

 その後に収録されているカラスヤサトシ氏との対談も併せて読むと、恋愛だけでなく、何というかそのデリケートさと思考の末の判断が何らかの行動を抑制してしまう、そんな感覚に非常な共感を覚えてしまうのです。文化系の男子なら多かれ少なかれこの感覚は持っているんじゃないでしょうか。
 しかし、これを厭味や暗さ、湿った感じを持たせずに描けてしまうのはとても素敵なことだと思うのです。

え!?絵が下手なのに漫画家に? (ヤングチャンピオンコミックス)え!?絵が下手なのに漫画家に? (ヤングチャンピオンコミックス)
(2009/11/20)
施川 ユウキ

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風呂で繋がる古代ローマと現代日本――『テルマエ・ロマエ』1巻

 2世紀前半、ハドリアヌス帝治世末期のローマ。浴場の設計に情熱を傾ける建築技師のルシウスが出会ったモノとは――

 古代ローマの風俗史・文化史的なものを漫画でやるのかー、と思ったら予想も付かない衝撃の展開が。

 この題材で、このディティールで、この絵柄で、こんなバカな話をやるヤツがあるか!(褒め言葉)
  ――と「ビーム」に掲載されたときの鮮烈な衝撃は今もはっきりと覚えております。

 古代ローマ人が現代日本にタイムスリップして、風呂に関する技術や文化に触れてショックを受ける、という。ルシウスさんの職人らしい生真面目さと、彼を見る日本のジジババ連中のギャップが何ともユーモラスでバカバカしくて、笑ってしまいます。

 本当はネタバレ無しで衝撃を受けて貰いたい作品ですが、まあ、帯に全部書いてあるからいいのかな。兎も角も素敵にユニークな作品。

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
(2009/11/26)
ヤマザキマリ

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歪んでいるのに綺麗なラブ&バトル――『断裁分離のクライムエッジ』1巻

 本作は、か弱いお姫さまと、彼女を守る騎士役の素敵なボーイミーツガール、そして彼らが巻き込まれていく戦いのお話なのです。

 ――なのですが、それを彩る設定が、ダークで変態的な道具立てに拠っているのが刺激的で妖しい魅力を醸しております。

 殺人鬼の子孫の少年少女が手にする「殺害遺品(キリンググッズ)」という、殺人者に縁のある呪いのアイテム。その呪いの鍵となるヒロイン、彼女を巡って「殺害遺品」のバトルゲームが幕を開ける、という。

 揃いも揃って、どこか病的な、何らかの欠落を抱えた変態的なキャラたちに、ダークな来歴を持ったアイテム。そしてそれらがぶつかる結構エグいバトル。

 にも関わらず物語の真ん中を貫くのは、主人公とヒロインの間でちょっとくすぐったいような純なラブであるという。むしろ物語自体は明るいという。

 このアンバランスで倒錯した感覚は素敵だなあ、と。世界の物差しがそのもの歪んでいるかのような。歪んでいるのにかわいいキャラ達が大変魅力的であります。

断裁分離のクライムエッジ 1 (MFコミックス アライブシリーズ)断裁分離のクライムエッジ 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
(2009/11/21)
緋鍵 龍彦

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宇宙的なモノ+巫女+粉砕バット=『星屑番外地』

 巫女が! バットで! いろいろ祓う!

 ――という、無茶苦茶にパワフルな作品であります。
 異星人や魔や無法者達が集う通称「星屑番外地」を舞台に、とにかく強くてスゲェおねーちゃんがバットで粉砕しまくるという。

 星屑番外地の設定や、主役のねーちゃんが宮司兼巫女を務める神社(雑居ビル内にあり)の設定とか、SF的な結構でかい背景を描写し伏線を張りつつ、今はとにかく主役の力押しでゴリゴリと分かりやすく話を進めております。後ろに控えている設定の割にバカバカしくも力強すぎる展開が魅力的です。

 イダタツヒコ氏の今までの作品の中では『美女と野獣』が感触的に一番近いでしょうか。

 このままパワフルに突っ走るも、後ろに控えている設定から背骨の通った物語を引き出していくも、いずれにせよ面白くなりそう。

星屑番外地 1 (サンデーGXコミックス)星屑番外地 1 (サンデーGXコミックス)
(2009/11/19)
イダ タツヒコ

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原点探訪―『イエスタデイをうたってEX』

 「イエスタデイをうたって」番外短編がまとめて読めるのは嬉しい、カラー稿やインタビューに見るものはある、同人誌掲載初期作品が読めるのも嬉しい――しかし、まあ、何と申しましょうか、今のタイミングで出すべき本か、これで1冊にしちゃうってアリなんか、とか考えてしまうと……うーん。

「イエスタデイ」関連短編は後に出る巻に一緒に収録したら良いだろうし、初期作品集というなら版権的に問題ない同人オリジナルをきちんと集めて1冊にして欲しかった気もするし、何よりもこのページ数で、800円はちと高いですよやはり。同人誌をプレミア価格で買ったりするよりは安いですけど。でも。

 副題は「原点を訪ねて 冬目景初期作品集」。今、読者は原点よりも結末を求めているんじゃないかな、と。
 本体が停滞しているのに原点探訪に誘われるのはどうにも複雑な気分であります。まあ、書籍扱いで出てる辺り、版元の都合があるのでしょうが。

 いやまあ、でも、ファンなら買いの一冊なのですが。
 そしてファンだけに買わざるを得ないのがまた難儀なことで。

イエスタデイをうたってEX~原点を訪ねて 冬目景 初期短編集~イエスタデイをうたってEX~原点を訪ねて 冬目景 初期短編集~
(2009/11/20)
冬目 景

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魔法使い一家の素敵でささやかな日常――『乱と灰色の世界』

 『群青学舎』の入江亜季氏の新作は、魔法使い一家が主役のファンタジー・ホームドラマ。
 靴を履くと美女に変身する(靴のサイズに合わせて変身する?)少女・乱の身の回りで起るあれやこれやを描きます。

 ナイスバディな美女に変身しても、中身は子供のままの乱。彼女の見た目と言動のギャップが愉快だったり、ハラハラしたり。そんな乱に手を焼くお兄さん、苦労性のお父さんの気持ちが分かります。
 色っぽいお姉さんなのに、好奇心いっぱいのキラキラした目をする乱に魅了されてしまいそう。

 そしてやっぱり今作でも入江氏の画が素敵。
 ちんちくりんだった乱が美女になる様とか、お母さんが魔法で色々な楽しいものをポンポン出していく様とか、オオカミになったお兄さんとか、全てが魅力的。

 苦労性のお父さんとお兄さん、離れて仕事をしているお母さん、妙な出会い方をした鳳太郎、学校での生活、色々な人々に囲まれて、ちょっと人とは違う力を持った乱にとっての世界は果たしてどんなものになっていくのか。
 ちょっと不思議な風合いを持った舞台設定とともに興味が尽きません。

乱と灰色の世界 1巻 (BEAM COMIX)乱と灰色の世界 1巻 (BEAM COMIX)
(2009/11/16)
入江 亜季

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イヌジニン・ブラステッドの原点――『海岸列車』

 手違いによってヤクザに夫を殺された老婆が、復讐のために銃を手にする――。

 描きようによっては、一発ネタ、或いはアクションコメディとしても成立させられそうなこのプロットですが、表題作が描くのは理不尽に耐えた弱者の抵抗の物語として。

 夫を失って失意に沈む老婆と、学校でいじめに遭っている孫。色々な感情を押し殺して理不尽に耐えた末に、静かに強い意志を込めての行動。その結果は決して幸福な未来は招かないのでしょうれども、どこか清々しさがあります。どこか晴れやかで、でも哀しさを湛えるラストがとても印象的。

 という、昨日も紹介した『ブラステッド』の室井大資氏の短編集。デビュー作であり表題作でもある「海岸列車」について触れましたが、他にも子だくさん一家の長女のを描いた「マーガレット」が好き。

 しかし、本当に色々な引き出しのある人ですね。これからの作品も楽しみにしています。

海岸列車 (BEAM COMIX)海岸列車 (BEAM COMIX)
(2009/11/16)
室井 大資

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暴力は人生を斟酌しない――『ブラステッド』1巻

 暴力団の末端でクラブ経営などの表の顔を見ていた男が巻き込まれていく暴力の渦。
 いきなり転がる生首からの幕開け、死体処理や殺人、虐殺、一人の男の小さな人生の意味など斟酌せず、次々と連鎖していく圧倒的な暴力の描写。

 非人間的なまでに次々と人生を上塗りしていく裏世界の暴力の嵐の中、その力の赴くままに流されるしかない主人公の道行きは重苦しい絶望と諦めに満ちていています。

 否応もなく巻き込まれた暴力の中で見てきたもの、出会い、そして巻き込んだものの末に男は傍観者の立場から当事者へと。

 嫌な話満載なのにぐいぐい引き込まれる力強い描写と物語。これはやはり凄いなあ。
連載で読んでいるよりも単行本でまとまるとその感が一層強くなります。

『イヌジニン』もすごい作品ですが、こっちもすごい。
 同時発売の『海岸列車』もすごい。
そして『妖怪研究家ヨシムラ』を描いているというのもすごい。

ブラステッド 1 (BEAM COMIX)ブラステッド 1 (BEAM COMIX)
(2009/11/16)
室井 大資

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テーマ : オススメ漫画
ジャンル : 本・雑誌

ドリトル先生とハイド氏――『解剖医ハンター』

18世紀後半のロンドンを舞台に、『ドリトル先生』、『ジキル博士とハイド氏』のモデルになったとされる人物ジョン・ハンターの活躍を描く医学モノ。

 『ドリトル先生』と『ジキル博士とハイド氏』、方向性が正反対の作品のモデルが同一人物というだけで興味深い。

臨床や実学とはかけはなれた古典の権威と教養のみに甘んじている当時の医学の常識を踏みにじり、墓を暴き、死体を切り刻み、「屍食鬼」の名を与えられるハンター。
 
その行動動機は「人の命を救いたい」的な人道的なものではなく、人体の謎を解き明かしたいという好奇心・探求心に突き動かされてのもの。

教会のお題目やお高くとまった医師会に対峙して、芯の通った好奇心に則って獰猛なまでの行動力を示すハンター。その姿はアンチヒーロー的であり、魅力たっぷりの怪(快)人物として描かれ、ジェンナーやクック船長など、これまた実在の人物をエピソードのパートナーに配して語られる物語は骨太で、良い具合にケレン味が強くて、力強い画と描写と相俟って実に読ませます。

「リュウ」でも12月売から連載が再開されるようで非常に楽しみな作品。

解剖医ハンター 1 (リュウコミックス)解剖医ハンター 1 (リュウコミックス)
(2009/11/13)
吉川 良太郎黒釜 ナオ

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引越してみました。

「blogは滅びぬ、何度でも甦るさ!」

というわけで、心機一転、巻き直しまして
こちらで漫画の感想などを
書いていくことにしようかと思います。
以前のようなペース、とは行かないまでも
ゆるゆるとやっていければと思っておりますので
また今後ともどうぞよろしく。

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Author:棘叢庵主人
棘叢庵主人凡鳥でございます。
日々読んだ漫画の感想などを綴っていきます。

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