スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

一家の「幸せ」は「最悪」の扉でした――『サユリ』1巻

 押切蓮介氏の新作はじっとりと真綿で首を締め上げてくるような黒々とした厭さに満ちたホラー。

 念願の一軒家を手に入れた家族。祖父母との同居も始まり、一つ屋根の下、3世帯7人の幸せな生活が始まるはずだったのだが――。

 父親の突然死をきっかけとして、そこから連鎖する凶事。事態はわけの分からぬまま、じわじわと、しかし確実に進行していきます。

 この1巻で描かれるのはその状況に翻弄され続ける一家の姿。小さな幸せが満ちていたはずの一家がどんどん息苦しさを増して壊れていきます。
 家を手に入れた時の家族の幸せの描き方が本当に素朴でうれしそうなだけに、それがどんどん壊れていくのが恐ろしく、辛い。

 この事態の原因は何なのか、どう対処すれば良いのかすら見えないまま、とにかく続く厭な出来事。
 そこには「物凄く厭」な存在の影がちらつきますが、それが何なのか、そもそも何が起こっているのかも判然としないまま、凶事は最悪の事態へ。

 とにかく凶事の原因がはっきりしないまま恐怖と厭わしさが蓄積し続ける大1巻。
 2巻目で物語は完結とのことなので、この「溜め」がどんな最悪の形で吹き出してくるのか、非常に楽しみです。

サユリ 1 (バーズコミックス)サユリ 1 (バーズコミックス)
(2010/09/24)
押切 蓮介

商品詳細を見る
スポンサーサイト

咳をしても一人。酒飲んでも独り。『彼女のひとりぐらし』1巻。

 フリーのデザイナーをやっている輿水理香さん(26歳・独身)。
 他人の目のない一人暮らしの気安さから、一人飲酒で酔っぱらってくだをまいてみたり、冷蔵庫の中がカオス化していたり、簡単な料理(とも言えないもの)で満足してみたり、風呂場でゲームしたりオシ○コしちゃったり。

 体も油断しまくりで、もう、全体的として哀しいまでに女子力ゼロの残念な人なんですが、それがむしろいとおしい。親近感湧きまくり。
 上記各種の堕落に加えて、風邪をひいて臥した際の辛さ情けなさ、リア充へのルサンチマン。 
 独り暮らしのアレさ加減は女も男も関係ないのです(端から見たら根源の可愛げが全く違いますが)。
 
 そんな色々とアレな女の独りぐらし、やるせないことはいっぱいありますが、それらを、ビールうめえ、ご飯美味しい、気楽だし、で「まあ楽しいからいいや」とイージーに受け流せる前向きさ(或いは現実逃避)が素敵。その際の笑顔が何ともかわいらしいのですが、どこか虚ろなものがあるのもまた事実で……。

 ああ、ひとり暮らし。哀しいけれども、それなりに楽しい独りぐらし。明日も生きてあげよっかな。

彼女のひとりぐらし 1 (バーズコミックスデラックス)彼女のひとりぐらし 1 (バーズコミックスデラックス)
(2010/07/24)
玉置 勉強

商品詳細を見る

ちょっと珍しいかも、カーリング漫画 『Sweep!!』1巻


 あんまり無いような気がする「カーリング」を題材とした作品であります。
 しかし、時事ネタとしてオリンピックを目指しちゃうような話ではなくて。

 田舎町にわき出した温泉。しかしその場所が隣町との境界線だったために所有権を巡ってカーリングで勝負をすることに。

「だったらカーリングで勝負だ!」とは斬新すぎる提案ですが、それに巻き込まれた女子高生3人のとんちきっぷりが愉快でもあり、カーリングの奥深さを知って興味を抱いて行くいく様がきちんとスポーツ漫画していたり。

 そもそもカーリングが何なのかすら知らないで提案に乗った女の子達。スポーツであることすら知らず、単なる「床磨き」だと考えていた時点で既に読者の想像の上を行っております。そこからかよ! という。

 世間的にあまり馴染みのない題材に対して、読者に近い(むしろ読者よりも知識レベルが低い)感覚で近づいて行くので分かりすく、安心して女の子達のバカバカしいやりとりを笑って見ていられる楽しさがあり。
 カーリングを知る4人目の加入でスポーツものとしてまっとうに動き始めますが、これから行儀良くスポーツ漫画するのか、妙な味をのこしたまま行くのか、興味深いところ。

 若いくせに「~だのう」「~じゃ」というババア口調(広島弁?)主人公・里子が、非常にユニークなキャラとして機能しているので、それこそ併録のデビュー短編のように彼女を主役とした田舎の女の子のちょっと変わった日常、という方面でも読んでみたいなあ、と。

sweep!!.jpg

Sweep!! 1 (バーズコミックス)Sweep!! 1 (バーズコミックス)
(2010/01/23)
小橋 ちず

商品詳細を見る

テーマ : オススメ漫画
ジャンル : 本・雑誌

twitter
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
プロフィール

棘叢庵主人

Author:棘叢庵主人
棘叢庵主人凡鳥でございます。
日々読んだ漫画の感想などを綴っていきます。

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。