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愛の秘密が紡ぐ疚しさ――『回游の森』

 「愛に秘密を抱えた者が抱く疚しさ」題材に紡がれる話を集めた短編集。
 幼い頃に悪戯した少女との再会、友人の女の子に対する自分の気持ちに気がついた少女、家では爬虫類に囲まれて暮らすエリートサラリーマン、教師と教え子の密やかな関係――などなど、それぞれ全く異なる状況で生まれる疚しさ、そこから生じる気持ちと状況の揺れを描きます。

 知られるわけにはいかない秘密。それに怯える者あり、どうして良いか戸惑う者あり、密やかにしまい続ける者あり。愛と秘密と疚しさ、テーマは同じでも味わいの異なるバラエティに富んだエピソードたち。
 反応は様々なれど、秘密から生じる後ろめたに絡め取られ、じわじわと沈んでいくような感覚を、フェティッシュに描き出していくその筆に脱帽。
 そして、ドキリとさせられる鋭い一言がまた上手い。

 エピソード的には、フェティシズムを社会的なペルソナで覆い隠そうとする「舟幽霊」、教師と教え子という王道の設定を用いつつも小道具や用語の使い方が抜群に効いている「死滅回游」、この2編が個人的には好きです。
 この2編だけでなく、それぞれ微妙にエピソード間にリンクがあるのも心憎い。

 いや、正直なところ、この『回游の森』を読むまで灰原氏の事を漫然と『戦国BASARA』の人としか思ってませんでした……すんません、大きく認識を改めます。

回遊の森

回游の森 (Fx COMICS)回游の森 (Fx COMICS)
(2010/01/14)
灰原 薬

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棘叢庵主人凡鳥でございます。
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